04) 転院と苦悩・・・15週目以降
私たちの子は、それ以降医大で診ていただくこととなり、今までお世話
になった個人病院の先生には、医大の先生から電話をしていただくことで、
転院する形となった。
胎児の観察は2週に1度していくことになるため、通常の妊婦健診とは
違う形で胎児を確認することができた。検査のたびに20分近くエコーが
あるので、細かな成長をつぶさに確認できる状況ではあるものの、裏を
返せば、どこかに異常がないかという確認も行っているため、いつでも
「お子さんに○○があります。」というたぐいの話が出てもおかしくない。
検査という言葉に、私はいつも胸をキューっと締められるような感覚で
妻の検査に立ち会った。「何も見つからないでくれ!」と思う傍らで、
楽しそうな妻を横目に私はいつもおびえていたと思う。
15週目、この時の検査の前に、妻とよく話し合ったことがある。
【羊水検査をうけるかどうか】
インターネット上にはたくさんの情報があふれていて、それが本当に
正しいかどうかはわからない。しかし、頸部浮腫とダウン症を絡めて
検索すると、恐ろしい数の情報がヒットする。
「私の子供には3ミリの・・・」
「私の子供の首には6ミリの・・・」
たくさんの情報がある中で、ダウン症だったという声と、ダウン症では
なかったという声がおおよそ半分ずつ見ることができただろうか。
妻と一緒に見るのではなく、自分の心の中に生まれる不安から、自分一人で
検索をし、解決しようとしていた。検索結果は、良いように受け取るも悪い
ように受け取るも自分次第です。決して、楽観視してインターネットを
見終わることはない。できるだけ自分の中で、どちらであろうとも、
「ストン」と納得する状態へもってこられた時まで検索を続け、たくさんの
人の書き込みを読みこむ。インターネットに書き込みをしている方々は、
ほとんどが女性(お母さん)であり、男性の意見がほとんど見当たらない
ことに驚いた。私自身、子供の状態を案じるあまり、妄想が先走って、
疑心暗鬼になっている心理状態を理解できているつもりであるが、
男性(お父さん)目線で、同じような境遇の方の意見を探すことで、安堵する
場所を求めていたにも関わらず、そういった書きこみはほとんどなかった。
頸部浮腫とダウン症の問題に直面している方は少なからずいる訳ですが、
いくらインターネットが普及したとしても男性はあまり書きこまないもの
なのか・・・父親になるものとしては、こういった状況でどう考え、妻に
どうしてあげるべきか。そして、羊水検査は自分たちで結論を出すべきもの
であるにも関わらず、私には決定材料が見つからないでいたのである。
このころのはなは、自動車のダッシュボードの上でドライブするのが
好きだった。今では体も大きくなりはみ出してしまうので、助手席に
座ることも多いが、それでもダッシュボードに乗ることがまだ多く、
はなの指定席である。
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