08) 生まれる2か月前
生まれる2か月前。暦は11月になっていた。
私たちの住んでいる北海道では、初雪も降り出すような時期であり、
寒さがどんどん厳しくなってくることろです。
妻は大きなお腹になりながらも、片道1時間近くの距離を毎日通っていた。
普段は私が使っていることが多かった自動車も、振動が少ないという理由で、
妻に使ってもらうことにしました。
帰ってからすぐ休むようにしていながらも、翌朝には回復するというわけではなく、
徐々に体調が崩れていくのが私でも分った。以前の検診で、「羊水過多」という
診断が出ていたこともあり、お腹の張りが強くなることで毎日がつらそうだった。
11月下旬の健診でのこと。
そもそも「羊水過多」というのはいろいろな原因があるらしく、何が原因とははっきり
言えないようだが、胎児のエコー診断をする限り、胎児は嚥下をしているので、
飲み込んではいるようだ。しかし、排出できているかはわからない。
この時の検診で、初めて張りの検査をすることとなった。お腹に心電図検査のような
ものをぺたぺたと貼り、30分ほどそのまま寝ててもらう。
30分後、紙にあらわれたグラフの結果を見て、、、
「入院ですね」
いわゆる、緊急入院となってしまい、何ももってきていない妻としては、これから1ヶ月
帰れなくなると思っていなかったため、張りのつらさに加え、精神的にもつらいことに
なってしまった。
しかし、これは私にとってもきついものであり、急に慌ただしく、はなを私の実家で
預かってもらうことになった。実家の父母を呼び、はなを預かってもらうことにしたが、
心の整理がついていないため、はなとしばらく会えなくなると思い、感傷的になっていた
が、はなはまるで「鼻歌を歌うかのように」そそくさと父母の車に乗っていった。
0コメント